正看護師と准看護師の違いと問題
実は、看護師には、正看護師と准看護師の2つの資格があります。
正看護師は厚生労働大臣の免許を受けて、患者の世話や診療の補助を行いますが、准看護師は都道府県知事の免許を受けて、医師や正看護師の指示の下で患者の世話や診療の補助を行うという違いがあります。
しかし、現場での仕事内容の差はほとんどないにも関わらず、昇進昇格などの待遇面で大きな差があることが問題となっています。
では、どうして正看護師と准看護師には大きな差があるのかを考えてみましょう。
准看護師の資格は正看護師よりも短期間で比較的簡単に取得できることから、現在でも年間17000人ほどの合格者を輩出しています。
日本看護協会は高度な医療体制の維持を理由に、長年に渡り准看護師制度の廃止を求めていますが、人員減少を懸念する医師会との調整が合わず、未だ廃止には至っていません。
しかし、准看護師の廃止への流れは止まらないのが現状です。
そんな流れの中、将来に不安を抱いたり、現場に出てから正看護師に移行したいと思い直した准看護師が、スムーズに正看護師に移行できるよう救護措置が用意されています。
それが看護専修学校ですが、2年間の通信教育で正看護師の国家試験資格が得られます。
ただし、この救護措置を受けられるのは、7年以上現場の経験を持つ准看護師に限ります。
准看護師制度は第二次世界大戦時の看護師不足を解消するために設立された制度で、当時は女性の高校進学率が低かった事から中学卒業が養成校の入学条件となっているのです。
昨今の高度医療を間近で支える教育を行うには、その教育水準では追いつかない現状があるのです。
そのため、准看護師制度廃止は日本看護協会の悲願となっており、今から看護師を目指すのであれば正看護師の資格を取得しておくのが賢明でしょう。